スマホケース「iFace」が15周年を迎えた。累計販売は4,000万個※を超え、原宿の旗艦店には世界中から訪日客が訪れる。次の一手は、充電器・モバイルバッテリーなど「通電カテゴリ」への本格参入——。ブランドを率いる髙橋雅史に、iFace広報・西堀が、15年の軌跡とこれからを聞いた。
※累計販売数は2025年8月時点。
第1章 誕生
15年目の感謝と緊張感
周年はゴールではなく、次にまた選んでいただくための通過点。
Q.あらためて、15周年を迎えた率直な想いから聞かせてください。
髙橋感謝と、少しの緊張感です。スマホケースは家電や車と違って、機種変更のたびにゼロから選び直される商品です。15年という時間は、そのたびにまたiFaceを選んでいただけた積み重ねで、お客様一人ひとりの「また、iFaceにした」の数にほかなりません。周年はゴールではなく、次にまた選んでいただくための通過点だと捉えています。
Q.iFaceの誕生から、日本で定着するまでの経緯を教えてください。
髙橋iFaceは2011年に誕生し、翌2012年から日本で本格的に取り扱いを始めました。当時のケース市場は「守るための無骨なケース」か「装飾のための薄いケース」の二択で、毎日持ちたくなるデザインと落としても安心な耐衝撃の両立は空白でした。First Classは、その間を埋めるケースでした。
広がったきっかけは口コミです。「落としても割れにくい」「持ちやすい」「色がかわいい」。そういう声が若い世代に広がって、学校や職場で“見たことのあるケース”になっていきました。
第2章 ヒットの理由
カーブラインの設計思想
デザインとは飾ることではなく、機能に表情を与えること。
Q.iFaceといえば、あのカーブライン。あの形はどこから生まれたのですか?
髙橋あの曲線は、装飾ではなく機能から生まれています。iFaceが生まれた当時は、動画やスマホゲームの普及で、スマホを横持ちする時間が急に増えていた時期でした。その横持ちでもしっかり握り込めるように、グリップを追求した結果があのカーブラインです。ポリカーボネートとTPUの2素材構造で衝撃を受け流す設計とあわせて、機能を突き詰めたら、誰が見てもiFaceと分かる“顔”になった。デザインとは飾ることではなく、機能に表情を与えることだと教えてくれたプロダクトです。
Q.ブレイクの転機はどこにあったのでしょう?
髙橋SNSと店頭の相乗効果です。ちょうど自撮りが広がった時期で、無理な体勢で撮ってスマホを落とす人が増えていました。「独自のカーブが握りやすくて、落としても画面を守ってくれる」。そう言って女子高校生の間で広がったのが、全国に知られていくきっかけでした。
豊富なカラーが「自分の色を選ぶ」体験になり、それがSNSで自然に広がっていった。みんなが持っているのに、色は自分だけ。学生の間で、そういう持ち方ができるケースになれたことが大きかったと思います。量販店の店頭で“壁一面のiFace”が当たり前の風景になったとき、ブランドとして定着した手応えがありました。
第3章 選ばれ続ける仕組み
信頼×鮮度の二軸戦略
機種が変わっても、また選んでもらうために。
Q.日本市場での成功要因を、ご自身ではどう分析していますか?
髙橋日本のお客様は「安心・安全」への感度が非常に高い。耐衝撃という機能的な安心を土台に、カラーや質感、手に馴染むグリップ感といった情緒的な満足を重ねたバランスが、日本市場のニーズと合致しました。加えてZ世代へのマーケティングやSNS施策を通じて、ケースが単なる保護ツールを超えた「自己表現アイテム」になったことが、選ばれ続ける土台になっています。
「安心感が違う」と言って、機種変更のあともiFaceを選び続けてくださる方が多いのは、この土台があるからだと思っています。
Q.ブランドを持続させる仕組みとして「二軸戦略」を掲げていますね。
髙橋成熟した市場で選ばれ続けるには、信頼か鮮度のどちらか一方では足りません。持ちやすさ・耐衝撃性・品質信頼といったコア価値を磨き込み、定番の柱を太くする「Daily Line」。コラボレーションや限定デザインでカルチャーと接続し、“語られる理由”を更新し続ける「Unique Line」。
この両立は、守りに入るためのものではありません。機種が変わっても、また選んでもらうためのものだと考えています。
第4章 カルチャーとつながる
コラボと原宿旗艦店
コラボは「売るための限定品」ではなく、「iFaceと出会い直すきっかけ」。
Q.キャラクターコラボなど、Unique Lineの狙いを教えてください。
髙橋コラボは「売るための限定品」ではなく、「iFaceと出会い直すきっかけ」だと位置づけています。好きな作品やキャラクターと一緒にiFaceを手に取った方が、次の機種変更では定番ラインを選んでくださる——新しい出会いを定番の信頼につなげる導線として設計しています。カルチャーと接続し続けることで、ブランドの鮮度を保っています。
Q.原宿の旗艦店も話題です。どんな手応えがありますか?
髙橋原宿店は想像以上に「世界との接点」になっています。訪日のお客様が多く、iFaceを日本の定番ケースとして、お土産に選んでくださる。ここで得られる海外のお客様の生の反応は、商品開発にも直結する貴重なデータです。
原宿を「グローバル・ブランド発信拠点」と位置づけ、限定モデルの海外展開など逆輸入型のプロモーションも仕掛けていきます。
第5章 世界へ、通電へ
安心を、持ちたくなるデザインで
スマホの隣にあるべきものを、iFaceの思想でつくり直していく。
Q.グローバル展開の“勝ち筋”をどう描いていますか?
髙橋世界では、いまだに「耐衝撃=無骨」というイメージが根強く残っています。だからこそ、守ってくれるのに「かわいい」と言ってもらえる、iFaceのようなケースには、世界でも余地があると思っています。
韓国・東南アジア・北米の女性や若年層をターゲットに、ファッション・ライフスタイルの文脈で展開し、ローカルインフルエンサーとの協業や限定デザインで感性価値を届けていきます。「安心を、持ちたくなるデザインで」という選び方を、世界にも届けていきたいと思っています。
Q.ケースの先へ——「通電カテゴリ」への参入も発表されました。
髙橋充電器・モバイルバッテリーといった通電領域は、ケースで築いてきた「安心」が最も求められる領域です。毎日触れて、毎日頼るものだからこそ、iFaceらしいデザインと信頼性で選ばれる余地がある。正直に言えば、ブランドの真価が試される挑戦だと思っています。
ケースでは、スマホを衝撃から守ってきました。これからは衝撃からだけでなく、充電が切れて一日が止まらないように、というかたちでも守っていく。スマホの隣にあるべきものを、iFaceの思想でつくり直していきます。
第6章 未来へ
次の15年の約束
守っていたのは、使ってくださる皆さんの毎日だった。
Q.ブランドディレクターとして、ずっと大切にしてきたことは?
髙橋私は2010年に入社し、商品開発の現場からキャリアを重ねてきました。だからこそ「ブランドは会議室ではなく、お客様の手の中にある」と考えています。戦略も企画も、最後は手に取った瞬間の「なんか、いいな」に集約される。
iFaceのフィロソフィーである「Daily Delight——日常にそっと訪れる、ささやかな『よろこび』」を、すべての判断基準にしています。
Q.最後に、次の15年に向けたビジョンを聞かせてください。
髙橋iFaceはこれまで、ケースでスマホを衝撃から守ってきました。でも、守っていたのは、その中にある、使ってくださる皆さんの毎日だったと思っています。これからは衝撃からだけでなく、いろいろなかたちで、スマホも、あなたも守っていく。
2029年4月期には事業売上104.6億円という目標を掲げていますが、数字はあくまで結果です。スマホが形を変えても、モバイルライフがどう進化しても、「By Your Side」——この約束だけは変わりません。次の15年も、iFaceはあなたの毎日に寄り添っていきます。
By Your Side
次の15年も、あなたの隣に。
髙橋 雅史たかはし・まさふみ
Hamee株式会社 iFaceブランドディレクター
2010年Hamee入社。商品開発部門のマネージャーを経て現職。ものづくりの現場で培った視点を軸に、ブランド戦略の策定から商品企画、店舗・EC・SNSなどの顧客接点まで、iFaceのブランドづくりを一貫して率いる。








